食物繊維の摂取は、ガンの予防に良い ? 【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol 19】

これを読んでいるあなたは、きっと健康に気を遣っていらっしゃる方。では、ガンについて考えたことはありますか?正直に申し上げると、私自身は普段はあまり考えていませんでした。

そこで今回改めて調べてみたのですが、意外と他人事ではない!そして腸活とも関係があるので、あなたの将来のために3分ほどお付き合いいただけると嬉しいです。

ガンで死亡する確率は、今や男性23.9 %(4人に1人)、女性15.1 %(7人に1人)と、かなり高い数字がでています。死亡数の多い部位(2018 )は順に、肺、大腸、胃。罹患数の多い部位(2017 )は順に、大腸、胃、肺です(人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部))。

まずは、今日の結論から言います。死亡率、罹患率共にトップ3にランクインする大腸がんと、食物繊維の摂取には関係があります。

ですから、普段から十分な量の食物繊維を摂っておくことをお勧めします(十分な量の参考:厚労省が食事摂取基準で定める1日あたりの目標量は男性20g、女性17g)。繊維は、お野菜や海藻、部つき米などに多く含まれていますよ。ここから先は、繊維とガンの関係を具体的にご紹介します。

食物繊維の摂取は、排便を促す

食物繊維を摂取して、便が出やすくなったり、便の量が増えた経験はありませんか?これが繊維の1つの利点です。

実は、大腸の中でも特にガンが出来やすい部位があって、それはS状結腸と直腸です。この場所は、便が長い間溜まっているためにガンになりやすいのだと考えられています。やはり、便を溜めこまないに越したことはありませんね。

ガンを誘発する物質に吸着して、作用を抑制する可能性がある

例えば、食物繊維は、タンパク質の加熱によって生じるHAA (発がん性物質)を吸着します(海老原・桐山(1990) 食物繊維の物理・化学的性質と生理機能, 37, 916-933 )。

食物繊維は、女性ホルモンの代謝や排泄を促す

菜食主義の女性が、雑食の女性に比べて乳ガンの発生頻度が低いことと関連があるかもしれません(海老原ら(1990) )

腸内細菌が食物繊維から生成する短鎖脂肪酸が、腸内pHを下げる(酸性にする)

大腸ガン患者の便のpHは、健康な人に比べると高い(海老原ら(1990) )。
短鎖脂肪酸には沢山の良い点があるのですが、その1つが腸内pH を適切に保ってくれることです。


今号はガンという重大なテーマに触れましたが、ガンに限らず、肥満も便秘も肌トラブルも腸は関連しています。腸活で、今と未来両方の笑顔を作っていきましょう!

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。